北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記が6年ぶりに訪中することが28日、発表された。背景には、米国とロシアとの外交をにらんだ中朝両国の思惑がある。
- 金正恩氏、6年ぶり訪中へ 9月3日の戦勝記念式典出席を中国が発表
朝鮮中央通信は28日午前、金氏の訪中を公表した。北朝鮮が最高指導者の外遊を事前に公表するのは異例だ。9月3日に北京で予定されている抗日戦争(日中戦争)勝利から80年の記念式典を盛大に開催したい中国に対する配慮とみられる。
中国の習近平(シーチンピン)国家主席と金氏の関係は過去、浮き沈みを繰り返した。金氏が2012年に行った核実験で中朝関係は長く冷却化した。18年から19年にかけての米朝協議の際、習氏と金氏は関係を修復し、首脳会談を繰り返した。22年春に北朝鮮が核実験の動きを見せると、関係は再び冷却化。両国は昨年を「中朝友好年」と定めたが、首脳会談は実現しなかった。
北朝鮮に対する米国の影響力拡大を懸念
ところが、今年1月に第2次…